世界三大コーヒーの一つであるキリマンジャロは、コーヒー好きなら絶対知っている銘柄の豆。高品質なコーヒーのイメージが強いですよね。
しかし、キリマンジャロのコーヒーが実際にどんな味なのかと言われると難しいです。「おいしい」と一口に言っても、その味わいは様々。おいしさの種類や飲み手の好みに合わせられたら、かっこよくコーヒーをおすすめできちゃいます。
今回は王道・キリマンジャロのコーヒーのおいしさの全てをご紹介します。
これを知っていれば、友達にかっこよくおすすめのフードペアリングまで教えられちゃいますよ!
【世界三大コーヒー】キリマンジャロってどんなコーヒー?特徴とは
キリマンジャロは、日本でも非常に人気が高いコーヒー。ブルーマウンテンとハワイコナに並ぶ世界三大コーヒーの1つとして知られています。
コーヒーにつけられる「キリマンジャロ」という言葉は、高品質なコーヒーの銘柄の名前です。
一般的なコーヒーのラベルには産地や農園、豆の品種が細かく記されていますよね。しかし、キリマンジャロは少し違います。品種や農園、栽培方法も関係ないんです!
キリマンジャロコーヒーの定義
品種の農園も関係ないと言いましたが、もちろんキリマンジャロと呼ばれるための条件はあります。公正取引委員会が定めた定義は次のような内容です。
キリマンジャロ : タンザニアにて生産された
引用元:レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約、同施行規則
アラビカコーヒー豆をいう。ただし、ブコバ地区
でとれるアラビカコーヒー豆は含まない。
そう、キリマンジャロは単にキリマンジャロの山で栽培されたコーヒーを指すわけではないんです!タンザニアという国で栽培されたアラビカ種のコーヒー豆が、キリマンジャロと呼ばれるコーヒーの正体です。
地形・気候の特徴
タンザニアはアフリカ大陸にあり、豊かな自然と広大な土地を持っています。キリマンジャロはタンザニアのシンボルの山と言っても過言ではありません。このキリマンジャロ山が、タンザニアのコーヒー栽培の拠点であり、世界有数の高品質なコーヒーの栽培の条件を満たした土地なんです。
キリマンジャロ山の標高は5895mもの高さがある火山。そして山の中腹あたり、標高1500〜2000mのエリアが特にコーヒーが育つのに適しているので、盛んに栽培が行われています。また、アフリカ大陸最高峰の火山であるキリマンジャロは肥沃な火山灰の土壌で栄養豊富!
タンザニアの平均気温は、年間を通して25度前後です。コーヒーの栽培に最適な気温は20度前後なので、少し高度の高い地域や山地は最適な温度になりますね。
また、山の上や高地ならではの昼夜の寒暖差のおかげで、ゆっくりと甘みを蓄えながらコーヒーチェリーが育っていきます。これがキリマンジャロのコーヒーが美味しいと言われる秘訣ですね!
主な品種と特徴
キリマンジャロで栽培されるコーヒ豆の品種は、ブルボンやティピカが多いです。
ティピカは、アラビカ種の中で最古の品種。爽やかで繊細な味わいが特徴的です。多くの国で栽培されていますが、生産性が低く、デリケートな品種といえます。
ブルボンもアラビカ種の1つ。ティピカをブルボン島に移植した際、環境の変化によって突然変異が起こったことで生まれた、とても古い品種です。甘くて繊細な味わいで、ティピカの面影も感じられます。こちらも生産性は低い品種です。
こういった品種が多く栽培されているため、キリマンジャロのコーヒーは繊細で豊かなフレーバーのコーヒーが多いんです。その分、育つ条件は限られているうえ、栽培も難しくたくさん収穫できるわけではないのです。生産者さんが手間ひまかけて育ててくれたおかげでこうして美味しいコーヒーがいただけるんですね。コーヒー好きに愛されるのも頷けます。
キリマンジャロのコーヒーっておいしいの?
キリマンジャロのコーヒーはおいしいです。
コーヒーらしい苦みや深さを損なわずに豊かなフレーバーを持ち合わせた、まさにコーヒー好きのためのコーヒー豆!
味・特徴
キリマンジャロのコーヒーは、甘みがあり酸味が特徴的なコーヒーです。
苦みが比較的少なく、好き嫌いなくおいしいと感じやすい味のバランスのコーヒーなので、日本でも高品質のコーヒーの代表格として親しまれていますよね。
先程述べた通り、キリマンジャロのコーヒーは標高の高い地域で育てられたぶんゆっくりと成熟します。そして、夜の寒い時間があることで、コーヒー豆は自身が凍らないように糖分を蓄えて、自分自身を守ろうとするんです。すると、甘味がたっぷり蓄えられたコーヒー豆に!
キリマンジャロの山の土壌は火山灰でできており、水はけが良くて栄養も豊富。まさに、おいしいコーヒーが育つのは間違いありませんね。
エチオピアなどのように「まるでコーヒーじゃないみたい!」という訳では無く、コーヒー特有の苦味や風味をしっかり感じられます。コーヒーの良さを感じつつ、甘さと心地よい酸味があるのがキリマンジャロが美味しと言われる所以。
精製方法による特徴と美味しさ
キリマンジャロ(タンザニア)の精製方法は、ウォッシュドが伝統的に用いられています。
ウォッシュドとは、コーヒーチェリーの果肉部分を取り除いてから乾燥させる方法です。この方法で生成されたコーヒー豆はスッキリとした味わいが特徴的。酸味も引き立ちやすいです。
一方、ナチュラルという精製方法では、果肉の部分は残した状態で乾燥を行います。そうすると、果肉に含まれた糖分が発酵し、コクや特徴的な味わいが生まれます。
コーヒーのグレード・の基準
キリマンジャロ(タンザニア)では、スクリーンサイズと質量で格付けが行われます。
豆の大きさが大きいほど高品質であると定義されており、一番高品質なものがAA。そのサイズは7.2mm以上です。しかし、大きすぎるのもダメらしく、Eというグレードの豆は一番小さいグレードC以下の価値です。
また、質量での審査も行われます。質量の軽い豆は、たとえスクリーンサイズが高評価であっても低品質であるとされます。
総合的な評価を踏まえて、一番高品質であるものにはFINEと表記されています。
ただ、タンザニアにおけるコーヒーのグレード分けの方法・基準はいろいろと複雑。なので、スクリーンサイズの評価が記されている場合はAAのものを選ぶのがベストでしょう。
おすすめの焙煎度
キリマンジャロのコーヒーは、中煎りがおすすめ。
浅めのローストだと、キリマンジャロ特有の柑橘を思わせる酸味が引き立ちます。一方、深くローストするほど甘味と苦味が引き立ち、キャラメルを思わせる味わいに。
もちろん浅煎りも深煎りもおいしく、それぞれの良さがあります。
酸味があるコーヒーが好みで、スッキリいただきたい気分のときはミディアムローストを。コーヒーならではの深みが好きで、キャラメルのようなほろ苦さとコクが味わいたいときはフルシティローストやフレンチローストを選びましょう。
ただ、キリマンジャロの酸味も甘みもコクもいいとこ取りしたいあなたは、中煎り一択!
ハイローストやシティローストがそれに当たります。キリマンジャロの美味しさがすべて味わえますし、バランスがいいので、スイーツにもお食事系のメニューにも幅広く相性がいいです!
焙煎度やローストによる味の違いについてもっと知りたい方はこちらをご覧ください。
キリマンジャロのコーヒーとフードペアリング
コーヒをただ飲むのではもったいない。フードペアリングでワンランク上のコーヒーブレイクを楽しみましょう!
キリマンジャロのコーヒーは、コクも苦みも酸味もコーヒーらしさも、とにかくバランスがいい!だから、スイーツ系はもちろん、サンドイッチなどのお食事系の食べ物とも相性が良いのです。
伝統菓子・カシャタ
タンザニアで伝統的なお菓子・カシャタ。コンゴやケニアでも食べられています。
ビーナッツやごまが入っており、ザクザクの食感で食べごたえのある伝統的な軽食兼おやつ。つまり、ピーナッツおこし!地元の人々は、キリマンジャロのコーヒーと合わせてカシャタを楽しんでいるようです。
ごまやピーナッツの香ばしさと甘さが、キリマンジャロのコーヒーが持つほろ苦い甘味と抜群相性!深煎りのキリマンジャロといっしょに頂きたいですね。
相性の良いスイーツ・お菓子
キリマンジャロは、柑橘系の風味があるお菓子や素朴なお菓子と非常に相性がいいです。
フードペアリングの際のポイントは、コーヒーと似た特徴を持つフードを合わせること。そうすることで、それぞれの風味が更に引き立てられて、別々で食べるより何倍も美味しく感じるのです!
相性の良いお食事系
キリマンジャロのコーヒーの良いところは、何と言ってもお食事系とも相性がいいところ。バランスがいいので、逆に相性の悪いフードは少ないようです。ただ、酸味をしっかりと感じる浅煎り〜中煎りの場合は、カフェオレにしたりミルク感の強いフードとの相性は微妙かも。
キリマンジャロのコーヒーは誰でも飲みやすいバランスが良いコーヒーなので、ぜひ一度ブラックで飲んでみてください。この美味しさに必ずハマります!
まとめ
以上、キリマンジャロのコーヒーの特徴と美味しさ、フードペリングのコツをお伝えしました。
コーヒー好きなら必ず知っているキリマンジャロ。多くの人々に愛される理由がわかりましたね。
かく言う私も、キリマンジャロのコーヒーが大好きです!お家で引き立て・淹れたてのキリマンジャロを飲むのは至福です。心地よい甘さとスッキリした味わいで、飲み飽きない魅力があります。
あなたにもキリマンジャロの美味しさを知っていただけたら幸いです。
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